2012年4月2日月曜日

ユビキタスなシステム

ユビキタスとは、それがどういうものかを意識せずとも使えるシステムや技術をさす言葉だが、劇場のネットワークシステムに求められる理想的な姿は、このユビキタスなインターフェースであり技術だろう。

今後、劇場における照明機器のチャンネル数は今以上に増大し、DMXインフラだけで対応するのが困難になることは、LED化が叫ばれる現状を見れば想像に難くない。しかしそれだけでなく、見方を変えれば、劇場こそネットワークシステムの恩恵を受けられる設備であるのだから、その効果を最大限に活用する意味でも、今後の劇場設備はネットワークインフラを充実させるべきだと思う。

しかし、これからのネットワークシステムは、過去にあったIT業界のおさがりのような、面倒なシステムではない。過剰なほどの空調設備に加え、設定をどうすればよいのかも判断がつかない難解な装置を文字通り「使わされる」のではなく、より簡単に使えるようになるのが、今後のネットワークシステムであり、ユビキタスなシステムの実現である。

Luminex社で販売されるネットワークスイッチ「GigaCore14R」は、そうしたユビキタスな装置、インターフェースを考慮したもので、ネットワークスイッチにありがちな面倒な設定はすべて自動で行われるように作られる。例えばリダンダントの設定なども、今までのように人が意図して設定するのではなく、自動で経路が計算され、またVLANのようなグルーピングもプロトコルベースで自動的に設定される。

こうした装置の登場は、これまで存在した難解で手間のかかるIT産業のスイッチを劇場から排除し、劇場のテクニシャンたちが、本来の仕事に専念しながらも、問題発生時や必要に応じて、自分たちの力でネットワークを運用することが可能となる。このユビキタスなシステムこそが、劇場のネットワークシステムに求められる重要な要素だと確信するとともに、また一歩、その実現に近づいたことを感じる。



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